知らないとスイス国籍をもらえない?!ヴァレー州の郷土料理ラクレットとロックフェス
スイスのシュビーツ州で、イギリス人がスイス国籍を取ろうとしたところ拒否されてしまいました。
スイスの公用語のドイツ語、フランス語を流暢に話し、子どものころからスイスで育った彼がスイス国籍を拒否された理由は、スイスの郷土料理ラクレットが生まれた州を答えられなかったから!!
そんな大切なラクレットを食べてロックも楽しんじゃおうというイベントに行ってきました。
ヴァレー州生まれの郷土料理Raclette / ラクレット
日本でもおなじみになってきましたね。
ラクレットはヴァレー州の名産ラクレットチーズを熱でとろけさせて、皮つきのゆでたじゃがいもにかけて食べる料理です。
ラクレット用調理器
レストランでは、半月型に切ったラクレットチーズを特別な調理器にはめて、電気やガスの火でとろけさせます。薪の火を使う場合もあります。
上の写真左は、いくつものラクレットチーズを順番にガスの火であぶってとろけさせる器具。こんな大型は初めてみました。
真ん中は、普通のタイプ。ひとつずつラクレットチーズを火にあぶります。
一番右は、ほどよくとろけたチーズをナイフでお皿に削り落とすところ。
家庭用のラクレット調理器
金属の黒いお皿に1センチの厚さのラクレットチーズをのせて、電気の熱でとろけさせて、木のへらで自分のお皿にとろけたチーズを取って食べます。
上の家庭用調理器は、6人用。
テーブルの上でみんなで作って食べれるので、ホームパーティーにぴったりです。
ピクルス
ガーキンや小玉ねぎのピクルスは絶対についてきます。
こってりしたチーズに合うんです。
カレーの福神漬けみたいなものですね。
保護されたラクレットチーズ
ヴァレー州のラクレットチーズは、欧州連合の原産地名称保護制度で保護されています。
原産地名称保護制度は、原産地で伝統製法で作られたものだけが認められるもので、フランス語だと食品にAOPと言う印が入っています。
ワインやハムやチーズなどの食品についています。
ラクレットチーズは、スイスの他の州やフランスでも作られていますが、AOPを名乗ることができるのは、ヴァレー州のラクレットチーズだけです。
Palp Festival / パルプフェスティバル
ヴァレー州では、毎年、夏の間、州内各地で、観光名所、名産品などのプロモーションイベント、パルプフェスティバルが行われます。
そのうちの、写真のエクスポジションとロックレットに行ってきました。
ラクレットの写真のエクスポジション
Bruson / ブルゾンの村には、ヴァレー州の伝統的なシャレーがたくさん残っています。
この村では、ラクレットの写真のエクスポジション行われました。
昔ながらの木のシャレー (山の家)に、ラクレットに関わる古い写真が展示されていました。
野外フェスRocklette / ロックレット
郷土料理ラクレットを食べながら、ロックの野外コンサートを楽しもうというイベントです。
8/10~8/15開催。
たぶん、もうわかっていると思いますが、ラクレットとロックを合わせた語呂合わせです。
場所は、スイス第二の標高にあるモーヴォアザンダムの谷あいにある、ホテル・ド・モーヴォアザンの横の広場。
モーヴォアザンダムで行われたほかのイベントについては、別に記事を書いています。
音楽は、谷に響きわたるので、入場チケットを払わないでも楽しめます。
ただし、ラクレットも食べたいなら、会場に入るチケットが必要です。
小さな会場なので、ステージ前に立てばアーティストに手が届きそうなほど。
木陰に座ってラクレットを食べながら、コンサートを楽しむのも良いし、鬼ごっこをしている子どもたちもいて、リラックスしたとても気持ちの良いフェスティバルでした。
私たちが見たコンサートは
GOSSIP ぽっちゃりのボーカリスト、べスの声が素晴らしいアメリカのロックバンド
The Young Gods ジュネーブ出身。30年のベテランのエレクトロバンド
最後に
ラクレット用のチーズは、日本でも通販で買えるようになりました。
ラクレット専用の調理器具がなくても、電子レンジでチンしたり、トーストにのせてオーブントースターで焼いても美味しいです。
ところで、ラクレットのせいで、スイス国籍がとれなかった英国人は、手続きに30万円ほど払ったそうです。
国籍を取る手続きってそんなにかかるんですね。
ラクレットを食べるときには、ぜひ彼のことを思い出してみてくださいね。
Palp Festival オフィシャルサイト