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【永世中立国スイスの国防】備えは万全、というか備えすぎ?

ハイジや、アルプスの山々、穴のあいたエメンタールチーズ、などスイスは、のどかな平和な国のイメージです。

 

また、スイスは、永世中立国としても知られています。

 

でも、スイス人は、何もしなくても平和に暮らせる、とは全く思っていないようです。

 

いざという時のためのスイスの備えを調べてみました。 

核シェルターが多すぎる

軍隊の基地のイラスト。基地の建物の手前に飛行機、戦車、軍事ヘリが並んでいる。


スイスの人口はおよそ800万人。

 

現在、国内の核シェルターはおよそ900万人を収容することができます。

 

全人口以上の核シェルターを保有しているのは、世界でもスイスだけです。

 

1963年に法律が制定されて、全国で着々と整備された結果です。

 

公共の核シェルターは全国に5000か所以上あり、法律制定以降のマンションの地下には核シェルターがあります。

 

汚染された空気が入らないように、フィルターや空調も完備されています。

 

2000年代に入って、「冷戦も終わったので法律を廃止してはどうだろうか。」と議論がありました。

 

しかし、結局、戦争の危険が少なくなったとしても、バイオテロや化学工場の事故などの危険に備える必要がある、と法律はそのままになりました。

 

個人の自宅の核シェルターや、マンションのシェルターは、普段は物置きです。

 

銀行の大金庫のような分厚い扉に守られて、ワインやスキー板や使わない家具がしまわれています。

 

全国に2000の爆薬を設置

防護服を着た人物が時限爆弾を処理している。


スイスの軍隊は、国境近くに設置していた爆薬を2014年末に全て撤去し終わりました。

 

冷戦下の1970年代に設置された爆薬は、全国2000か所のも及びました。

 

爆薬は、国境沿いのトンネル、橋の下、主要道路に設置され、敵の軍隊がスイスに侵攻するの防ぐ戦略だったのです。

 

1991年に、時代遅れの戦略だとして、撤去が決まったのですが、なんせ数が多く、2014年末までかかりました。

 

歴史的には、第一次世界大戦や第二次世界大戦中も同様に、国境沿いの主要な交通網にを設置して、国境の守りとしていたそうです。

 

徴兵制

白黒の写真。兵士たちが整列している。


スイスには徴兵制度があります。

 

成人男性は義務、女性は希望すれば参加できます。

 

まず、兵学校で18週間の訓練を受けます。

 

その後は、毎年定期的にトレーニングに参加します。

 

兵役は全部で300日間です。

 

夫が兵役中だった20年前は、兵役が終わるまで、軍隊支給のライフルを自宅に保管することが義務でした。

 

自宅に銃があることは、スイス人にとっては自然なことだったと思いますが、私にとっては信じられないことで、怖くて仕方ありませんでした。

 

その後、銃は軍隊の保管場所に預けることが可能になりました。

 

現在、兵役中のスイス人のうち、90%は銃を軍隊の保管場所に預けているそうです。

 

銃の盗難や、子どもが銃をさわって事故になることもなく、安心です。

 

最後に

核シェルターにしても、軍隊にしても、お金がかかります。

 

そんなに備えなくても、と思ってしまいます。

 

でも、二つの世界大戦で、陸の孤島のように敵国にかこまれた歴史を考えると、何があっても独立と国民を守ろうとするスイスの姿勢には納得がいきます。

 

夫は、遊園地の射的は百発百中です。

 

軍隊の訓練なんてムダになってしまう平和な生活に感謝です。