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仕事は時代で変わるので和文タイピストの次はスイスから郵便局がなくなるのかもしれません。

和文タイピストって、どんな職業だかわかりますか?50代の私にもわかりません(笑) 私より10歳年上の知り合いの女性の仕事でした。時代が変わって、新しいテクノロジーとしてワープロが登場して、駆逐され、なくなってしまった職業です。そのワープロも今はなく。

 

次はスイスの郵便局かもしれません。

 

スイスの郵便局スイスポスト

スイスポストの黄色い配達車

スイスの郵便局は、スイスポストと呼ばれています。日本の郵便局のカラーは、赤ですが、スイスポストのシンボルカラーは黄色です。配達車も郵便ポストもすべて黄色。

 

業務は、手紙や小包といった郵便取り扱いのほか、金融、保険、郵便局内での商品販売、山間部でのバス事業です。

 

手紙の取り扱い量は減るばかり

日本でも郵便の取り扱い量が減っていますが、それはスイスでも同じで、2016年から毎年5%ずつ減っています。私も以前は、日本の家族や友人に手紙や絵葉書を出していたものですが、この10年ぐらいは、すっかりメールやLINEでやり取りするようになってしまいました。

木のテーブルの上で便せんを広げて手紙を書いている手が見える。


 

国営のスイスポストは、公共サービスの色合いが濃いので、どこかの郵便局のオフィスを閉鎖する、となると住民から強い反発を受けます。それでも採算のとれないオフィスは、営業時間が短くなったり、閉鎖されてしまう場合があります。たまに用があると、少し遠い郵便局まで行かなくてはいけなくて、不便に感じます。

 

スイスポストの新しい試み

郵便の取り扱い量は、今後も減るばかりなので、スイスポストは少しずつ、新しい業務を開拓しようとしています。

 

パンの配達

首都ベルンのみですが、パン屋と提携して、毎日500世帯にパンを配達しています。パン屋は、スイスポストの配達網を使えるし、郵便局の配達員は、郵便物といっしょに届けるのでムダがないわけです。

 

電気料金の検針

転居のときの電気料金の検針を、郵便局の配達員が行っている地域があります。スイス全国で、1年に、15万軒行われています。

 

ペットボトルの回収

スイス国内で5つの町で、郵便配達員が空のペットボトルを集荷するテストを始めました。客は、空のペットボトルを入れる袋を買い、袋がいっぱいになったら、自宅の郵便受けのところに出し、配達員が回収するわけです。

 

これは成功するかどうか、意見がわかれています。袋は、35リットルサイズなので、たくさんペットボトルは入ります。でも、値段が2フラン50サンチーム(およそ280円)って!高いでしょう!

 

ペットボトルは、どこのスーパーでも入り口に回収ボックスがあり、買い物ついでに処分できるから、このサービスはひろがらないかもしれませんね。

 

フランス郵政公社の場合

フランスも郵便の取り扱い量が毎年7~8%減っています。

あなたのご両親を見守ります!

フランス郵政公社が、積極的に力を入れている新事業は、高齢者を見守るサービスです。週に2回、10分から15分の訪問で、料金は、1か月34.8ユーロ(およそ4300円)です。現在6000人の契約者がいます。

 

遠く離れていても、電話やインターネットで、話をしたりメールのやり取りはできますが、郵便局員が直接、高齢の両親のところに行って、話をしてくれて、その様子をすぐにアプリで、知らせてくれるところが魅力だそうです。

 

高齢者の方も、郵便局員さんと話せるのが楽しみ、だそうです。

 

この事業は、好評なので、来年から訪問を毎日にすることが検討されているそうです。

 

最後に

白い雲のある青空をバックに手紙の封筒の形の白い雲が浮かんでいる。

郵便の取り扱い量が減るなら、配達員を減らしたり、配達の回数を減らせば良いのではないか、という意見もあります。でも、スイスポストは、国営な上、スイスで2番目の雇用人数が多い大企業なので、人員削減は避けたいところです。

 

また、EU(ヨーロッパ共同体)もスイスも、郵便の配達は、最低週5回と法律で決まっているので、配達回数を減らすこともできません。

 

郵便網を生かす、新しい分野の事業を見つけるしかないのですが、そうやっているうちに、だんだん、郵便局ではなくなってしまうかもしれませんね。

 

ちなみに、スイスポストのサービスは、迅速で正確で、文句はありません。この10年で日本~スイス間の郵便物、小包(航空便、船便)が、大幅に遅れたこともなくなったこともありませんでした。ありがとうスイスポスト!と日本郵便!