トレスは、スイスの特別な日の朝ごはん
フランス語でTresse(トレス/三つ編み)
名前通りで三つ編みになっていますね。バターが入っていて、ほんのり甘味のあるパンです。食感や味は、少しブリオッシュに似ています。
サイズはいろいろ。上の写真は長さ30センチ500グラム。
ファミリーサイズです。
15世紀ごろにすでに、Bern(ベルン/スイスの首都)で、最初につくられた記録があるようです。
日曜日は特別だから
もともとは、クリスマスや新年のお祝いのときに、食べられていた特別なパンでした。
卵やバターの入ったぜいたくなものだったのです。
その伝統から、今のように、キリスト教では安息日(休日)とされている、日曜日の朝や祝日に食べる習慣になったのだと考えられています。
では、平日の朝、スイスでは何を食べるのでしょうか?
以前、ブログの記事にした、ミューズリー、ですね。
焼き立てのほんのり温かいトレスは、口に入れるとほんのりバターの香りがして、少し甘くしっとりしていています。
スイスのフランス語圏である、ヴォー州に住んでいる私たちは、地元出身の夫のやり方で、トレスに、バターとハチミツやジャムをつけて食べます。
ドイツ語圏では、トレスのパンで、ハムや野菜をはさんだサンドイッチも、よく食べます。
上の写真は、トレスのサンドイッチ専門店。
チーズ、ハム、チキンなど様々な具材をはさんだトレスサンドイッチが並んでいます。
美味しそうですね。
ドイツ語圏では、パン屋やスーパーでも、トレスのサンドイッチが売っていますが、私たちが住むヴォー州では、みかけません。
ベストトレス(我が家調べ)
パン屋によって、塩や砂糖の量などの、微妙な配分の違いがあるので、おいしいトレスを求めて、いろいろ買ってみましたが、今、気に入っているのは、2つ。
ひとつは、スイスを代表するスーパーのチェーンMIGROS(ミグロ)のものです。
スーパーのパンといっても、店内でパン職人が焼いているので、あなどれません。
しかも、お安い!一番上の写真の、長さ30センチ、500グラムのトレスは、3フラン50サンチーム(およそ390円)です。
もうひとつは、ローザンヌのベルジエール通りにあるパン屋、Boulangeries des Bergière / ブーランジェリー・デ・ベルジエールのトレスです。
巨大なトレスを、500グラムください、と量り売りしてもらいました。
スーパーミグロのものと、ほぼ同じ量ですが、お値段は、8フラン50サンチーム(およそ940円)!
うーん、だいぶ特別な日曜日にしか食べられないかな。
このパン屋さんのトレスもミグロのものも、皮がしっかりしていて、噛み応えがあります。
日本の食パンの耳に近い感じですね。そこが好きです。
Boulangeries des Bergière / ブーランジェリー・デ・ベルジエール
住所:
Av. Bergières 30
1004 Lausanne
tel:021 647 26 46
パン屋さんは日曜の朝も営業
日曜日、スイスの商店は、みんなお休みです(※)。
でも、パン屋さんは、日曜日の午前中は営業しています。
だって、みんな、日曜日の特別なパン、トレスを買いにやってくるんですもん。
※国鉄駅やガソリンスタンド併設のお店は日曜・祝日も営業しています。
そんな美味しいものなら毎日食べても良いんじゃないですか?
そうなんですよ!毎日食べても良いんです!
でも、毎日食べたら、トレスは特別なものじゃなくなっちゃうんです。
日曜日の朝に、のんびり起きて、家族そろってゆっくりトレスを食べる、それが良いんです。
こんな真っ白い美味しいパンを毎日食べると、糖質をとり過ぎるので、やめたほうが良いですよね。
平日は、食物繊維やビタミン、ミネラル豊富なミューズリーです。