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パリの街角で見かけた電動キックボートのシェアサービス

先日、パリに行って電動キックボードの多さに驚きました。市内には、2万台もあるそうです。

 

観光客にとっては、たくさんの名所をはやく楽に回れる、とても便利な交通手段だと思いました。電動だから、排ガスも出さずエコな乗り物です。

 

日本でも、浜松市などが電動キックボードの運用実験をはじめる予定というニュースがありましたね。

 

電動キックボードの現在の状況について調べてみました。

スイス人が開発

青空を背景にスイスの旗がはためいている


実は、キックボードは、スイスの銀行家Wim Ouboter/ヴィㇺ・ウボテルが発明したものです。1997年のことでした。

 

彼は、チューリッヒで人気のソーセージレストランの常連でした。そのレストランは、徒歩で行くには少し遠く、と言って、車を出すほどの距離でもない。考えた彼は、キックボードを作ったのです。

 

ソーセージが食べたくて、新しい移動手段を発明してしまうって、怠け者なのか働き者なのか、よくわかりませんね。

 

彼は、Micro Mobility Systemsという会社を設立し、今もキックボードを世界で販売しています。

 

キックボードが大ブーム

彼の作ったキックボードは、ブームになりました。2009年に私たち家族が、スイスに来たときには、子どもも大人もキックボードを持っていない人間はいない、ぐらいの状態でした。

 

もちろん、私の娘は誕生日にキックボードをプレゼントしてもらいましたよ。

 

残念ながら、私たちの住むヴォー州は、坂が多くて、キックボードだと下りは良いけど坂は登れないので、折りたたんでかつぐか、押して上がらないといけなくて不便でした。電動キックボードなら坂道もすいすい登れますね。

 

電動キックボードのシェアサービスの問題点

石づくりの壁の前に3台の電動キックボードが並んでいる。

通行のじゃまになる

アプリを使って支払いもでき、乗り捨てが自由でとても便利なのですが、パリでは、通りのあちこちに電動キックボードが放置されていて、歩道がふさがれているところもありました。

 

電動キックボードの事故

電動キックボードは、車道または自転車レーンを走ります。

 

ヘルメットもかぶっていないので、事故の場合は大きなケガになる可能性があります。

 

実際、私たちの目の前で、1台が、雨でぬれた路面ですべってころびました。すぐ立ち上がって走り去ったので良かったのですが、後ろから車が来ていたら、大変なことになったかもしれません。

 

自転車レーンを横切る歩行者との衝突事故も起こっています。電動なので、非常に静かな上、自転車のようにベルがついていないので、歩行者も気づきにくいのです。

 

パリでは規制がはじまる

パリでは、歩道を走行した場合の罰金が厳しくなりました。

 

また、現在競合している10数社を、数年後には、2社にしぼることになりました。

 

あんなにたくさん街中で利用されている電動キックボードですが、競合も激しく、利益を出している会社は、一社もないそうです。

 

儲かってない上に規制が厳しくなるなんて、スタートアップも楽ではありませんね。

 

スイスのフランス語圏でまもなくサービス開始?

スイスでは、現在、チューリッヒなどドイツ語圏の都市のみで、電動キックボードのシェアサービスを利用することができます。

 

実は、数社から、スイスのフランス語圏の自治体にサービス開始の申し出があったのですが、ジュネーブ州も、私たち家族の住むヴォー州も断っています。

 

理由は、

 

  • 電動自転車のシェアサービスのシステムをまず確立する
  • パリのような電動キックボードの無法地帯にしたくない

 

の2点です。

 

自転車専用レーンの整備も、まだまだこれからの状態なのに、電動キックボードまで手が回らないといったところでしょう。

 

まとめ

自転車の空気を入れる機械が歩道に設置されている。

自転車の空気入れ。ヴォー州の町の歩道のあちこちに設置されている。


スイスの市町村は、中心部への車の乗り入れを規制する方向にすすんでいます。

 

騒音や排ガスを減らして、繁華街を歩行者にとって魅力的な場所にしようと考えているわけです。

 

その場合、市内の移動手段は、公共の交通機関と自転車が主体で計画されています。

 

電動キックボードは手軽でエコな交通手段なので、自治体はもっと積極的に導入を検討すべきではないでしょうか。ルール作りのために、市民も参加して意見を交換できるような場ができると良いですね。

 

皆さんはどう思いますか?