チューリッヒの春のお祭りゼクセロイテンの締めは野外バーベキュー
Sechseläuten(ゼクセロイテン)
スイスで一番大きな都市である、チューリッヒの最大のお祭り、ゼクセロイテンは、4月の第3月曜日に開催されます。
ゼクセロイテンは、ドイツ語で、『6時の鐘』という意味です。
今のような電気のあかりのなかった中世の時代には、ひとびとは、お日様の光で、夜明けから日没まで、仕事をしていました。
そして、春になって日が長くなると、夕方は、6時に鐘がなったら仕事をやめる、という規則になっていました。なんせ、スイスは、7月の日没は、9時半ごろなので、日没まで働いたら、大変な長時間労働になってしまって大変ですよね。
ゼクセロイテンのお祭りの日は、その年はじめて、6時の鐘がなる日、つまり、冬がおわって春がはじまる日ということになります。
チューリッヒのひとたちにとって、春をむかえる大切なお祭りで、みんな楽しみにしているんです。
今年、2019年は、4月8日の15:00に始まりました。
市内のギルド(それぞれの職業の団体)に所属する男性たち3500人、騎士350人と50台の馬車、バンドグループが、それぞれ、中世の衣装を身に着けて、市内をパレードしました。
花束をもつ沿道の観客の女性たち
沿道には、木の長いベンチが置かれて、観客が座って見物しているのですが、よく見ると、観客の女性たちが、花をもっています。
みんなお店を開くのかと、いうくらい、どっさり花をもっているので、沿道は、花の匂いでいっぱいです。
実は、これは、パレードに参加している家族や友だち、知人に渡すために、用意しているのです。
女性たちは、渡したい相手がパレードしてくると、花をもってパレードの真ん中に、飛び出していきます。スイスでは、あいさつは、ほっぺに3回キスをするので、時間がかかります。なんで3回も必要なんでしょうね(笑)。パレードの最中に、いらないだろうって、つっこみたくなります。
ともかく、そんなわけで、パレードの足並みは、あちこちで乱れてしまうのですが、気にしないのが、スイス流。パレードのひとたちは、みんな、うれしそうに、渡されたたくさんの花を抱えて歩きます。
パレードのひとたちが、沿道の観客に、花を渡してくれたり、アメを投げてくれたりして、とにかく、楽しい雰囲気でいっぱいのお祭りです。
Böögg(ベーグ)って何でしょう?
ゼクセロイテン広場のまんなかに、10メートルの高さに、薪をつみあげて、その上に、わらで作った雪男がたてられています。
雪男の名前は、Böögg(ベーグ)、身長3.4メートルの、冬のシンボルです。
お菓子やさんには、こんなベーグのケーキも並んでいましたよ。
パレードが終わるころ、夕方6時に、薪に火がつけられます。
ベーグに火が燃えうつって、火薬が詰めてある頭が爆発するのが、お祭りのクライマックスです。
火薬が、爆発して、バンバンと激しい音をたてながら、ベーグが粉々になります。
ベーグ予報
ベーグがはやく燃えれば、天候が良い夏になると言われています。
だから、みんな、真剣にベーグの頭が爆発するまでの時間をはかっています。
チューリッヒ市の公式サイトによると、頭が爆発するまでの長さによって、
- 0~6分 天候の良い夏
- 6~10分 くもりがち
- 10~15分 雨が多い
- 15分以上 冷夏
となると考えられています。
ちなみに、猛暑だった2003年の記録は、5分42秒でした。
今年の記録は、17分44秒。うーん・・ベーグ予報では、夏は、あんまり期待できないかな。
ちょっとキケンなバーベキュー
夜8時からは、ベーグを燃やした薪をかこんで、野外バーベキューパーティです。
広場の片付けが終わるまで、火には近づけないので、チューリッヒっ子たちは、柵の外で、じっと我慢づよく待ちます。
柵が開けられると、みんな一斉に走っていって、我さきに、地面にピクニックシートを敷いて場所取りをします。
次は、バーベキューの準備ですね。火のそばは、肌が焼けそうなくらいの熱がきます。
勇気をだして近づいて、ベーグを燃やした薪が、炭になっているのを、長ーい柄のスコップですくいとって、バーベキューに利用します。
近づきすぎると、本当に熱くて危険です。
こんな感じで、スコップですくった炭の上に、もってきたバーベキューセットをのせて、あとは、焼きあがるのを待つだけです。なかなかワイルドです。
来年、2020年のゼクセロイテンは、4月20日の月曜日です。
ゼクセロイテンの日は、チューリッヒは、祝日なので、商店は、お休みになりますが、レストランやカフェはオープンしていますし、通りには、たくさんの屋台が出るので、食べることには困りません。
チューリッヒの中央駅の中は、スーパーもお店も、祝日も営業しているので、便利です。
チューリッヒツーリストインフォメーションセンター
チューリッヒ中央駅1階
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