エコビジネス!食べれるストローでスイスの高校生たちが起業!
独立して自分のビジネスを立ち上げたい、と思いませんか?会社に入って定年まで、という働き方ができる時代は、終わったと言われています。 スイスでは、国をあげて、新しい事業を始めようとする、若い人材をサポートしているので、小さなスタートアップが増えています。
そんな中、スイスの高校生たちが立ち上げたエコビジネスが、テレビで取り上げられました。どんなビジネスなのか、ご紹介します。
スイスの高校生たちのエコビジネス
高校の卒業プロジェクト
スイスの高校では、大学入学資格(Maturité/マチュリテと呼ばれます)を取らないと卒業できません。その資格取得の一環として、テーマを選んで卒業論文や卒業プロジェクトをします。
この6人の高校生は、卒業プロジェクトとして、グループで事業を立ち上げることにしました。
会社の名前はDRINK'EAT/ドリンキート
6人は、エコの分野にビジネスチャンスがあるのではないか、と考えました。
この数年、プラスチックごみによる海洋汚染が、世界中で大きく取り上げられています。プラスチックごみを食べて死んでしまった、くじらやウミガメの映像が、連日のようにニュースで流されています。
EU(欧州連合)は、2021年から、プラスチックのストローの使用を禁止する決定をしましたし、スイスでも同様な動きがあります。
6人の高校があるニューシャテル州では、飲食店に、生分解性(時間がたつと水や土の中で微生物によって分解される)ストローセットを配布して、プラスチックのストローをやめるように勧めています
そこで6人は、いっそのこと、食べてしまったらどうだろう、と考え、食べれるストローの会社を立ち上げたのです。2018年9月のことです。
飲みものを飲むのに使えて、最後は食べてしまうので、DRINK(飲む) とEAT(食べる)を合わせてDRINK'EAT/ドリンキートと名付けました。
DRINK'EAT/ドリンキートの特徴
- 砂糖とコーンスターチが原料
- 飲み物の味に影響はありません
- 冷たい飲み物で20~30分固い状態です
- グルテンフリー
- 賞味期限は2年
味は、ナチュラル、ストロベリー、シナモン、チョコ、レモン、ジンジャー、ライム、青りんごの8種類です。ポップなカラーで可愛いから、友達同士のパーティで使えそうですね。
1パック14本入りで8フラン50サンチーム(およそ940円)です。
オフィシャルサイトで販売中です。
支える支えられる
支えてくれる
高校の経済学の先生が、6人のプロジェクトを指導しています。先生は、会社を設立したことで、6人が成長し、問題に対応、解決する能力がついたことを高く評価しています。
YES(Young Enterprise Switzerland/スイスの若い企業)は、非営利で、若い人たちのスタートアップをサポートする団体です。6人は、YESのサポートで会社を設立できました
DRINK'EAT/ドリンキートの製品を、使うことに決めたレストラン経営者たちは、大きな支えです。レストランLe Marina/ルマリーナのマネージャー、ローラーさんもそのひとりです。「エコだし、若い人のビジネスは応援したいね。」だそうです。
支える
DRINK'EAT/ドリンキートの売り上げの一部は、CleanForGood Foundationに寄付されています。CleanForGood Foundationは、河川や海のプラスチックごみを回収して、リサイクルする活動をする非営利団体です。
まとめ
ドリンキートの弱点は、プラスチックストローにくらべて価格が高いことです。しかし、今後、プラスチックストローはスイスの各州で禁止されるでしょうから、需要が増えて、大量生産できるようになれば、価格は下げられるでしょう。
また、エコの意識が高い、ベジタリアンレストランや、地産地消のナチュラル素材を使ったカフェやレストランが増えているので、そういうところで、積極的にドリンキートのような製品を使ってくれる可能性もあります。
若者を中心に、地球温暖化に抗議するデモが世界中でひろがったり、大企業も、クリーンなエネルギーを使っていることをアピールしたり、エコロジーに関心が高まっている現在、エコビジネスは大きな可能性をもっていると言えます。
DRINK'EAT/ドリンキートが、これから、どのように大きくなっていくのか、楽しみに見守りたいと思います。
DRINK'EATのオフィシャルサイトはこちら(ドイツ語・フランス語・イタリア語)